2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼稚園等における発達障害支援教室に関する実証的研究
Project/Area Number |
21531022
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平澤 紀子 Gifu University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20320393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 裕 岐阜大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20310039)
池谷 尚剛 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70193191)
大井 修三 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70092393)
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Keywords | 発達障害 / 幼稚園 / 支援教室 / 支援効果 / SDQ |
Research Abstract |
就学前の発達障害のある幼児に対する教育条件の整備に関して、教育委員会が幼稚園や小学校等に運用上設置している通級タイプの支援教室が注目されるが、その支援効果に関する実証的研究は行われていない。本研究では、運営特徴の異なる全国3ヵ所の支援教室の効果について、発達障害のある5歳児を対象に、幼児の発達障害のタイプや教室の支援形態等との関連から検討する。 今年度は、SDQ(Strength & Difficulty Questionnaire)による幼児の変容に関する評価を基に園の適応につながる効果的な支援教室のあり方を検討した。対象幼児は発達障害のある年長幼児55名。各支援教室では、幼児のニーズに応じてコミュニケーション、共同行為、集団適応などの支援目標がとられ、個別や小集団の指導が行われた。その結果、全体的な困難性を示すTDSは、教室担当者、保護者、園担任とも有意に減少した。保護者の満足度は高く、教室担当者のTDSの減少と園担任の満足度に有意な相関がみられた。SDQのサブスケールスコアとKIDS言語得点を用いて対象幼児を3群((1)対人関係困難、(2)多動・集中不良、(3)言語発達不良)に分けて、変化の特徴を検討した。その結果、対人関係困難と言語発達不良の幼児が支援教室の効果を得やすかった。支援形態との関連でみると、個別指導では対人関係や言語が促進され、小集団指導は多動性の軽減につながった。園でTDSが減少した幼児と減少しない幼児では、園担任の対応の見通しに違いが見られた。 以上から、支援教室で得られた対象幼児の発達特性や対応方法を園担任がクラス集団の中でどのように対応すればよいか見通しが得られるように提供していくことが重要といえる。
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