2010 Fiscal Year Annual Research Report
幼稚園等における発達障害支援教室に関する実証的研究
Project/Area Number |
21531022
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平澤 紀子 岐阜大学, 教育学研究科, 准教授 (20320393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 裕 岐阜大学, 教育学研究科, 准教授 (20310039)
池谷 尚剛 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70193191)
大井 修三 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70092393)
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Keywords | 発達障害 / 幼稚園 / 支援教室 / 追跡調査 / 学校適応 |
Research Abstract |
発達障害のある幼児に対する教育条件の整備に関して、教育委員会が幼稚園や小学校等に運用上設置している通級タイプの支援教室が注目されるが、その支援効果に関する実証的研究は行われていない。平成22年度は、幼稚園等の支援教室で支援を受けた対象児に対して、就学後の追跡調査を行い、対象児の適応状況と支援教室からの情報入手との関連から、効果的な支援教室のあり方について検討した。 対象児は転勤4名を除く51名で、就学先は通常学級31名、特別支援学級20名であった。追跡調査は5月と12月に行われ、担任と保護者から(1)対象児の状態像を把握するSDQと(2)学校生活に関するアンケートの回答を得た。その結果、(1)対象児のもっ困難さを示すTDSは、就学前と比べて有意な変化はなかった。(2)学校生活に関するアンケートで担任の評価は、5月の適応は平均3.18点(4点中)と良好であり、年間を通じて有意に向上した。51名の担任全員が支援教室への通級を知っており、44名は支援内容も知っていた。支援教室の情報が役立つは平均3.3点であったが、対象児への対応に困った時に支援教室に情報を求めたのは5名にとどまった。一方、支援内容を知らない担任が7名おり、知っている担任44名と比べて5月の適応状況は有意に低かった。保護者の評価でも、5月の適応状況は平均3.18点と良好で、担任の対象児の理解や支援及び保護者の対応への効果も3点以上と評価された。 以上、幼稚園等の支援教室で支援を受けた対象児の就学後の適応は良好であり、そこに支援教室からの情報が役立っているといえる。ただし、支援教室からの情報入手や活用に課題がある。
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