2010 Fiscal Year Annual Research Report
感化院入所経緯および児童の実態と障害児への特別な処遇の展開
Project/Area Number |
21531026
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山崎 由可里 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60322210)
|
Keywords | 感化教育 / 感化院 / 感化法 / 児童鑑別 / 少年教護法 / 少年教護協会 / 少年教護委員 / 池田千年 |
Research Abstract |
22度は、21年度に行った研究成果の一部の発表および、資料収集・資料整理を継続して実施した。 具体的には以下の2点である。 1.感化法改正、少年教護法成立の過程(帝国議会での審議を含む)における論点の整理 本研究の分析の枠組みを定めるための基礎作業として、少年教護法成立過程の分析に取り組んだ。各施設における障害児への特別な処遇の確立については、児童鑑別による分類処遇など、法律の規定(少年教護院内に児童鑑別機関の任意設置が盛り込まれた少年教護法)に影響を受けたことをふまえ、少年教護法の成立までの論点整理を行った。 2.感化院・少年教護院入所児童の実態に関する資料整理と分析 入所児童の実態(心身の状態、家庭環境、入院理由など)を記した、感化院(現在の児童自立支援施設)刊行の冊子(『大阪府立修徳学院所蔵資料1 感化法改正問題奮闘記』『大阪府立修徳学院所蔵資料5 大阪府少年教護改革私案』『兵庫県立明石学園所蔵資料1 県立土山学園・県立農工学校出版物』『兵庫県立明石学園所蔵資料2 県立農工学校出版物』『京都府立淇陽学校所蔵資料1』など)、雑誌掲載の報告、入所児童記録などをもとに、入所児童の実態を明らかにするための資料整理と分析を行った。 以上の成果の一部を第48回社会事業史学会で発表した。また、茂木俊彦監修(2010)『特別支援教育大事典』にて「感化教育と障害児問題」「少年教護法」「感化救済事業」「少年教護協会」などの項目の執筆を依頼され分担した。
|