2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21540002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 知行 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (30002265)
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Keywords | 有限群上のランダムウォーク / マルコフ空間 / 有限群の表現の応用 / 分割表 / データセット / 一致率検定 / 精核確率公式 / 数理考古学 |
Research Abstract |
1.有限群上のランダムウォークの基礎.代数的には,マルコフ連鎖を,マルコフ空間(有限確率空間を頂点集合とする単体)上のマルコフ作用素(アファイン写像または線形力学系)と見なすのが便利である.この観点から,有限群の作用する集合上のランダムウォークの理論の再構成を行った. 2.表現論を使った,有限群上のランダムウォークの収束速度の評価. 3分割表の列挙問題への代数的解釈.分割表は対称群のヤング部分群による両側剰余類の集合と見なせる.したがって大勝1群上のランダムウォークは分割表のランダムサンプリングを誘導する.フィシャーの並べ替え検定やイアコニスたちによるマルコフ基底を使った分割表のランダムサンプルイングとの関係が解明された. 4.正方分割表の一致率検定の正確な有意確率の公式は分かっていたが,非線形な統計量については未解明である.ただ,カイ自乗統計量のについては,有向2部グラフにおけるサイクルの個数と関係することがわかった. 5.青銅器製造の過程を解明するための新しい方法を得た. 6.その他.マルコフ空間に関して,マッキー分解やフロベニウス相互律などを発見した.マッキー関手の基礎理論を整備した.
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