2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21540002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 知行 北海道大学, 大学院・理学研究院, 特任教授 (30002265)
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Keywords | 有限群上のランダムウォーク / マルコフ空間 / 有限群の表現の応用 / データセット / 一致率検定 / 代数統計 / マッキー関手 / アファイン幾何の応用 |
Research Abstract |
1. 有限群上のランダムウォークの基礎.マルコフ連鎖は,マルコフ空間(有限確率空間を頂点集合とする単体)上のマルコフ作用素(アファイン写像または線形力学系)である.代数的には,単位区間を「系数体」とする線形代数の理論と見なせる.この観点から,有限群の作用する集合上のランダムウォークの理論を再構成した.例えば群環に相当する概念は,群を頂点集合とする単体群である.「系数体」が本当の「体」でないための困難さはあるが,線形代数や群の表現論同様の理論構成ができる. 2. 表現論を使った,有限群上のランダムウォークの収束速度の評価.とくに対称群上のランダムウォークについて,収束速度の詳しい評価ができた.対称性を持つ状態空間上のランダムウォークとヘッケ環の表現との関係もあきらかにした. 3. 分割表の列挙問題の代数的解釈.分割表は対称群のヤング部分群による両側剰余類の集合と見なせる.したがって対称群上のランダムウォークは分割表のランダムサンプリングを誘導する.フィシャーの並べ替え検定やダイアコニスたちによるマルコフ基底を使った分割表のランダムサンプルイングとの関係を解明した. 4. 統計解析用ブログラム言語Rでのいくつかのプログラムを作成した.ただし公表はしていない. 5. 青銅器製造の過程を解明するためのアファイン幾何に基づく新しい方法を得た.質量分析計の精度,鉛の混合を解明する方法,さらに古墳から出土した青銅鏡に含まれる鉛の混合の過程に関する発表をおこなった. 6. 代数統計の分野の基礎をなすバーンサイド環とマッキー関手について研究した.統計における2次元データセットは,カテゴリー論的にはスパンそのものであり,スパンのカテゴリーの表現がマッキー関手である.これにより確率空間にマッキー分解が現れる理由が説明できた.共著論文を公表した. 1. 有限群上のランダムウォークの基礎.代数的には,マルコフ連鎖は,マルコフ空間(有限確率空間を頂点集合とする単体)上のマルコフ作用素(アファイン写像または線形力学系)と見なせる.この観点から,有限群の作用する集合上のランダムウォークの理論の再構成を行った. 2. 表現論を使った,有限群上のランダムウォークの収束速度の評価. 3. 分割表の列挙問題への代数的解釈.分割表は対称群のヤング部分群による両側剰余類の集合と見なせる.したがって大勝1群上のランダムウォークは分割表のランダムサンプリングを誘導する.フィシャーの並べ替え検定やダイアコニスたちによるマルコフ基底を使った分割表のランダムサンプルイングとの関係を解明した. 4. 統計解析用ブログラム言語Rでのいくつかのプログラムの作成.
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Research Products
(5 results)