2009 Fiscal Year Annual Research Report
ファイブレーションを持つカラビ・ヤウ多様体の数論的研究
Project/Area Number |
21540003
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
後藤 泰宏 Hokkaido University of Education, 教育学部, 准教授 (40312425)
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Keywords | 代数幾何 / 数論 / カラビ・ヤウ多様体 / ゼータ関数 / デルサルト型多様体 / 国際研究者交流 / カナダ |
Research Abstract |
本研究の目的は,ファイブレーションを利用して3次元カラビ・ヤウ多様体のゼータ関数,L関数,及び形式群を調べることである。中でも,3次元デルサルト型多様体とその変形を詳しく考察する。研究初年の平成21年度は,デルサルト型になる3次元カラビ・ヤウ多様体を特定し,その幾何的構造を調べることを目的とした。予定通り,計算ソフトMagmaのライセンス更新を行い,研究協力者(海外共同研究者)である由井典子教授と国内で2度,カナダで1度の研究打ち合わせを行うことにより次の研究成果を得た。 1.3次元カラビ・ヤウ多様体の中でデルサルト型になるものを一部特定した。プログラミングの遅れのため完全決定には至っていないが,研究に必要となる具体例は十分多く得られた。また,全ての多様体を特定するための計算も現在進行中である。 2.上で得られたデルサルト型多様体のファイブレーションについて調べた。特に,楕円曲線やK3曲面によるファイブレーションを持つものを特定し,セクションやファイバーの様子を記述した。ファイバー等のデータは,幾何的考察だけでなく次年度以降の数論的考察の中でも重要な役割を持つ。 3.デルサルト型となる3次元カラビ・ヤウ多様体のコホモロジー群を計算した。これは,デルサルト型多様体を覆うフェルマー型多様体を見つけることによって行った。この計算結果によりカラビ・ヤウ多様体のゼータ関数(の主要部分)を記述することが可能となった。これは,次年度以降のL関数の研究へとつながっていく。 以上の研究成果について,2件の論文発表と1件の学会発表を行い,2件の論文を現在準備中である。
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Research Products
(3 results)