2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540007
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
飛田 明彦 Saitama University, 教育学部, 准教授 (50272274)
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Keywords | 代数学 / 有限群 / 表現論 / コホモロジー / 有限次元多元環 / fusion system / ブロックイデアル / 加群の多様体 |
Research Abstract |
有限群の内部構造とコホモロジーの関係について,有限群のモデュラー表現の観点から研究を行うことが本研究の目的である。pを素数とする。群のp-部分群についての内部構造や融合(fusion)の様子と,標数pの体を係数とするmod pコホモロジーとの関係について,群の表現論を通して考察を行う。有限群のp部分群の融合状況を表現する対象がSylow p-部分群上のfusion systemである。その一般化としてのp-群上のfusion systemとコホモロジーとの関係を明確にすることが目的である。p-群上のfusion systemの典型例としてはブロック多元環の不足群上に構成されるBrauer対を利用して定義されるfusion systemがある。有限群の自明な表現を含むブロックすなわち主ブロックの場合が有限群とSylow p-部分群から得られるものに相当する。 本年度の研究では,研究実施計画に記載されたMackey関手やBurnside環を用いた研究に先立ち,まずブロックを多元環として調べることが必要となり,より一般的な有限次元多元環の加群とコホモロジーに関する研究をなった。自己移入的な有限次元多元環での加群の多様体の理論を群環の場合と比較した場合に,最も不都合な点はテンソル積に関する点である。群環はホップ代数の構造を持ち加群のテンソル積にまた群の作用が定義され,加群の多様体についていわゆるテンソル積定理が成り立つ。一般の多元環での理論を応用しやすいものとするためにテンソル積定理の一般化が必要である。本年度得られた,(1)両側加群のテンソル積を行った場合,(2)次数付きなど制限がついたホップ代数上の加群のテンソル積,についての成果は次頁,11.研究発表(21年度の成果発表)に記された2つの学会にて報告した。
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Research Products
(3 results)