Research Abstract |
有限群をGとし,標数p>0の代数的閉体をFとする.群環FGのブロックをBとし,その不足群をDとする.Bのカルタン行列をCとし,その最大固有値をρとする. 北海道教育大学旭川校の奥山哲郎との共同研究で,Bに属する既約Brauer指標の次数に関係した整数値a(B)がpと素ならば,Cのある固有値λで,そのp-部分がちょうどDの位数に一致するものが存在することが証明された.これはContemporary Math.Vol.524(2010)に発表された. その後,東京医科歯科大学の清田正夫との共同研究で,pが5以上の素数の場合,a(B)がpで割れてしまう例が見つかった.例えば,G=SL(2,p)でBを二つあるfull defectのp-ブロックとすれば,a(B)はいつもpで割れる.さらにこのときCのどの固有値もそのp-部分がDの位数よりも真に小さくなる. それではp=2,3の場合はどうだろうか.和田が対称群の2-ブロックで計算した結果,思いもよらないことが起きているように思われた,a(B)はいつも奇数であるように思われ,さらに強く,対称群の2-ブロックには,高さ0の既約Brauer指標がただ一つしかないように思われる. もしこれが正しければ,今までに知られていない,新しい発見である,どうやら正しい証明を得たと確信している.奥山哲郎,清田正夫との共著論文として,現在アメリカ数学会のTransactionに投稿を考えている.
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