2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 敬之 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40108973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 保 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20211716)
平賀 郁 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10260605)
梅田 亨 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00176728)
山崎 愛一 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10283590)
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Keywords | ヒルベルトモジュラー形式 / cohomology群 / L函数の特殊値 |
Research Abstract |
1959年に志村五郎は楕円モジュラー形式のL函数の特殊値を一次元cohomology群を用いて計算する興味深い方法を発表した.その後の半世紀でcohomology群と保型形式の関係については長足の理論的進歩があったが,特殊値の具体的計算にcohomology群が使われた例はないようである. 吉田はこの問題に40年近く興味を持っていたが,2010年の春になって,実二次体のヒルベルトモジュラー形式について二次元cohomology群を用いた計算が可能であることを発見した.2010年の冬にpreprint server,Math.Arxivに発表した. Cohomology and L-values,1012.4573v1[math.NT]で誰でも見ることができる.この論文は百頁近くおり,この結果を三次体以上に拡張することはできていない.ランキン.セルバーグの積分表示と微分作用素を用いる志村の別の方法(1976年)があり,この方法のほうが一般性があるともいえる.しかしヒルベルトモジュラー形式から構成したcocycleはL函数の特殊値と関係しない成分をもち,cohomologyを使う手法はこの成分についても若干の情報を与える等,かなり目新しい部分がある.
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Research Products
(1 results)