2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540014
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 敬之 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40108973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 保 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20211716)
平賀 郁 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10260605)
梅田 亨 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00176728)
山崎 愛一 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10283590)
|
Keywords | セルバーグのゼータ函数 / 例外的零点 / 非合同部分群 |
Research Abstract |
以下吉田の研究を説明する. フックス群に対しセルベーグが定義したゼータ函数が知られている.この函数は一変数の整函数で函数等式をみたすが,最も興味ある点は実軸上の有限個の零点を除いて,リーマン予想をみたすことである.この例外的零点についてはセルバーグとランドルが実際に存在することを示している.吉田はまずこの事実の非常に簡単な証明を与えた.フックス群の実例は,商がコンパクトな捩れのない群Gをとり,Gの適当な位数有限な指標の核をとることで得られる.Gが算術的なフックス群のときは例外的零点を与える群は非合同部分群であると予想される.この方向に一歩を進め,Gの指標の核として実際に非合同部分群が得られることを証明した。また同様の方法で古典的なモジュラー群の非合同部分群が構成できることを示した.さらにこの構成法の長所として,この非合同部分群についてのモジュラー形式が簡単に構成できることを示した. 商がコンパクトな算術的フックス群が非合同部分群を持つかどうか,明快な結果は知られていなかったようである.セルベーグのゼータ函数の例外的零点との関係でこの問題を解明できたことは興味深いと思う.
|
Research Products
(5 results)