2011 Fiscal Year Annual Research Report
平面分割の数え上げに現れる行列式・パフィアンと数理物理モデルへの応用研究
Project/Area Number |
21540015
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
石川 雅雄 琉球大学, 教育学部, 教授 (40243373)
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Keywords | q-series / Macdonald多項式 / Pfaffian / 行列式 / Plane Partitions / Alternating Sign Matrices / 数理物理 / 可解格子モデル |
Research Abstract |
2011年度は,5月30日~6月3日に香港市立大学で開催されたInternational Conference on Asymptotics and Special Functionsに参加した。この研究集会はMourad Ismail等が主催し,直交多項式や組合せ論のいろいろな話が訊けてたいへん有意義だった。また,共同研究者のJiang Zeng氏がHankel Pfaffianについての研究発表を行い,聴講者のコメントによりHankel Pfaffianの評価法としてde Bruijnの公式によるSelberg積分の利用が考えられることがわかった.また,この際Christoph Koutschan氏と会い,PfaffianのZeilberger's Ansatzを考案し,コンピュータによる計算方法について議論した.また6月13~17日には,アイスランドのReykjavik大学で開催された第23回形式的幕級数と代数的組み合わせ論に関する国際会議(FPSAC'11)に出席し,多くの代数的組み合わせ論に関する最新の講演を聴いた。その後8月8日~10日に東京女子大学で開かれた第50回実函数論・函数解析学合同シンポジウムに参加し,alpha determinant等の面白い講演を聴いた.また9月28日~10月01日に信州大学で開催された日本数学会秋季総合分科会に参加し、和歌山大学の田川氏とMehta-Wang-Nishizawaの行列式とその証明について共同研究を行った。この行列式はq=1の場合はRandom行列の問題に関係してMehta-Wangによって研究された。Nishizawaによってq-analogueが証明されたがこれを拡張すると行列式の値がAskey-Wilson多項式の特別な場合になることを証明した。田川氏とは引き続き、その数え上げ問題への応用を研究するが、行列式の値として出てくる有理式が複雑である。また、2月にはハワイ大学に長期滞在している萩原氏を訪ねてJ.B.Nation先生のセミナーに出席し、萩原氏と共同研究を行った。特に符号理論と線形計画法の話や複素鏡映群を使った符号理論の話が興味深かった。
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