2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21540031
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小田 文仁 山形大学, 理学部, 准教授 (00332007)
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Keywords | 有限群 / 代数 / カテゴリー / 表現 / バーンサイド環 / 一般バーンサイド環 / 斜バーンサイド環 / 丹原関手 |
Research Abstract |
有限群Gについて,有限G-集合のカテゴリーの部分カテゴリーの直和に関するグロタンディーク群にある条件の下で積が定義された環は,吉田知行氏により「一般バーンサイド環」(以下GBRと書く)と呼ばれた.Gのいくつかの自己正規化部分群の族XにG-共役の作用の構造を付加したものから構成される部分カテゴリーのGBRは,その族の表現論的構造(GBRの単位元がXのレフシェッツ加群を引き起こす),トポロジカルな構造(GBRの単位元が誘導するXのレフシェッツ加群からXのオイラー標数が計算できる)に深く関与することが千葉大学の澤辺正人氏との共同研究により明らかになっていた.その結果に関する論文を投稿していたが,当該年度に雑誌Journa lof Algebra(Elsevier)に掲載された. 当該年度の9月に「2012日本数学会秋季総合分科会」において,上記の結果も含む研究代表者の最近の成果をまとめて「有限群のバーンサイド環とマッキー,グリーン,丹原関手」という題目で特別講演を行った.また当該年度の8,9月にRIMS研究集会「有限群のコホモロジー論とその周辺」で「丹原関手と斜バーンサイド環」という題目で研究発表を行った.参加者から丹原関手の新たな例に関する示唆を受けることができとても有益な研究集会であった.当該年度の3月にRIMS研究集会「有限群とその表現,頂点作用素代数,組合せ論の研究」を研究代表者として開催した.他の分野との関連について広く知見を得ることができた.この集会の記録として「数理解析研究所講究録」の編集を行っている.平成24年度中に刊行予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想像していた困難な箇所が,比較的容易に解決できた場合が多かったため.
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究課題は単に計算結果を述べるという型ではなく,新たな概念の構築に関する成果を主たる課題としているため論文数を多くすることがやや困難であると考えている.査読にも時間を要することが多い.できるだけ焦点をしぼり,冗長にならない論文にまとめることを心がけて研究を進めてゆきたい.
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Research Products
(3 results)