2009 Fiscal Year Annual Research Report
対数構造を用いた退化多様体のピカール多様体の幾何学
Project/Area Number |
21540032
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
梶原 健 Yokohama National University, 工学研究院, 准教授 (00250663)
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Keywords | 対数構造 / ピカール多様体 |
Research Abstract |
21年度はおもに,付値環に関するある種の有限性,および,モジュラー曲線上の対数楕円曲線の構成に関する研究を行った. 付値環は一般にネーター環ではないため,ネーター性などを利用した従来の計算アルゴリズムを利用する際には注意が必要である.生成点上で与えられた定義イデアルを付値環上に延長することで,閉点上での退化ファイバーを計算することができるため,退化多様体を対数構造で扱う際や,トロピカル多様体を研究する際に,このような計算は重要である.そこで,これらのイデアルを具体的に計算する場合において応用できるような,ある種の有限性を保証する補題を証明した.証明はネーターな部分環をとることに帰着する. 対数ピカール多様体の構成において,従来,マンフォードの構成にならった方法が知られているが,対数構造を形式完備化から代数化を構成する理論が十分にできていない.この部分については,今後も引き続き研究する.一方,退化アーベル多様体の族から,退化を統一する,より標準的な対象である対数アーベル多様体を構成する方法についても研究をした.具体的には,モジュラー曲線上の普遍一般楕円曲線を用いて,対数楕円曲線を構成した.この研究は,加藤和也氏,中山能力氏との共同研究である。
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