2010 Fiscal Year Annual Research Report
ファイブレーションを軸としたアフィン代数幾何学の可換環論的研究
Project/Area Number |
21540034
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小野田 信春 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40169347)
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Keywords | アフィン代数幾何学 / 可換環論 / 国際研究者交流 / インド |
Research Abstract |
今年度の実施計画に基づき、研究対象として導入したA^1-patchについて考察を行った。これは可換環R上の多元環Aであって、正則列x,yが存在して、A_x、A_yがそれぞれ基礎環R_x、R_y上の1変数多項式環であり、かつA=A_x∩A_yをみたすようなののことである。考察の中心は、Rが体k上の2次元正規アフィン環の場合であるが、海外共同研究者の元に出張して研究を進めた結果、次に示す極めて重要な定理が証明できた。 定理Rは体k上の2次元正規アフィン整域で、AはR上のA^1-patchとする。このとき、Rを含み、R上有限加群であるような正則整域Sが存在するなら、AはR上平坦かっ有限生成である。 この定理の条件、即ち正則整域Sの存在はkが標数零の代数閉体でRがk上2次元商特異点なら満たされるので、定理の系として、Rが2次元商特異点のときAはR上有限生成となることが導かれる。特別な場合として、R=k[X,Y,Z]/(X^5+Y^3+Z^2)ならAは有限生成となることが結論できるが、これれにより実施計画に挙げた所期の目的のひとつが肯定的に解決できたことになる。この定理の証明が完成してからは、正則整域Sが必ずしも存在しない場合について考察を進めた。実際にはAがR上平坦となるための条件を求めることを目的とした。これはAの平坦性からAの有限生成性が導かれるからである。具体例としてR=k[X,Y,Z]/(X^p+Y^q+Z^r)、C=R[U,V]/(xU+yV+z)とおき、A=C_x∩C_yの場合について調べた結果、AがR上平坦なら、r(p+q)>pqが成り立つことが示みた。逆が問題となるが、それも含め、より一般的な成果た向げそ、現在研究を継続中である。
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