2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斉藤 盛彦 Kyoto University, 数理解析研究所, 准教授 (10186968)
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Keywords | ホッジ予想 / ネロン模型 / 許容法函数 / チャウ・キュネット分解 / 超平面配置 / 柏原予想 / 非確定型微分方程式系 |
Research Abstract |
まずグリフィス・グリーン・ケールのネロン模型を一般化し,更にそれを改良するという問題の研究を行い、今迄各ストラータ上に制限した部分には解析構造は入るものの、全体としては位相構造しか入って無かったものに対して、或る意味では全体的に解析的な構造を与える事を試みた。それと関連して、許容法函数の零点の解析性の研究も行った。これはホッジ予想とも深く関連しており、無限遠因子が滑らかな場合は比較的簡単であるが、一般にはかなりの技術的困難を伴う。これらに関連して、底空間が一次元の場合にシュネル氏のネロン模型がどの様なものになるかについて、例えばそれがグリフィス・グリーン・ケールのネロン模型に対してかなり特殊なブロウアップを繰り返すことによって得られる事等を、シュネル氏との共同研究の結果明らかにした。代数サイクルに関してはミュラー・シュタック氏との共同研究により、3次元の射影多様体から任意の射影多様体への写像に対して相対チャウ・キュネット分解が存在することを証明し、その系として3次元の場合の絶対チャウ・キュネット分解が存在するための幾つかの十分条件を得た。超平面配置については、1次のミルナー・コホモロジーが消えないための十分条件等を、ブドゥール氏やディムカ氏らと研究し、さらに超平面配置の場合のp-進又は位相的ゼータ函数の極とb-函数の根との間の関係についての井草氏及びロゼール、デーネフ両氏の予想に関する研究をブドゥール、ユズヴィンスキーの両氏と行い、3次元の場合等にその肯定的解決を得た。D-加群に関しては、非確定型の場合の半単純代数的D-加群に関する柏原氏の予想の解決には、サバ氏の微分方程式の標準形に関する予想が不可避である事等を、確定型では起こり得ない事例の構成等により示した。
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Research Products
(3 results)