2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540046
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川崎 健 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (40301410)
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Keywords | 整閉包 / Artin-Rees定理 / ホモロジカル予想 |
Research Abstract |
本研究の目的である整閉包のCohen-Macaulay性は困難な問題であったので,それより弱い正準元予想の研究を行った.正準元予想は整閉包のCohen-Macaulay性より弱いとはいえ,整閉包のCohen-Macaulay性を応用するときは多くの場合正準元予想を経由するのでその重要性は高い. RをGorenstein局所環,Aをその準同型像とする.1997年S.P.DuttaはExt_R^1(A,R)=0のときAで正準元予想が成立することを証明した.そこでこの仮定を弱めることを考えた.その結果d=dim Aとするとき (1)dim B<dとなるRの準同型像Bすべてに対し正準元予想が成立し (2)depth Ext_R^1(A,R)>0 ならばAで正準元予想が成立することがわかった. これをさらに一般化するためにはリンケージと呼ばれる手法が有効と思われた.すなわちRの準同型像Aに対し,Aと同じ次元のRの準同型像A'でdepth Ext_R^1(A',R)>0を満たすものを構成する一般的方法がある.実際正準元予想より弱い単項式予想はこの手法を使って(2)よりもさらに強いalmost complete intersectionの場合に帰着されている.そこでリンケージと正準元予想の関係を調べたAnne-Marie SimonとJan R. Strookerの1999年から2006年にかけての研究の点検・解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一様Brianeon-Skoda定理・ホモロジカル予想についてHuneke,Robertsによる特異点解消を用いたアプローチがある.このアプローチにおいて特異点解消をマコーレ化で置き換えることができるのではないかというのが本研究のもくろみであった.しかしこれは不可能であることがわかった.
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Strategy for Future Research Activity |
当初目標の整閉包のCohen-Macaulay性は困難なので,やや弱い正準元予想を研究する. 正準元予想はやや弱いとはいえ,それが解決されれば改良新交差予想・単項式予想・直和因子予想などが導かれることが知られている可換環論の重要な未解決問題である.
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