2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540050
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
蔵野 和彦 明治大学, 理工学部, 教授 (90205188)
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Keywords | Cox環 / 標準加群 / 有限生成性 / 永田予想 / regularity / Seshadri constant |
Research Abstract |
離散的なチャウ群をもつ多様体の有限個の点でのブローアップは再び離散的なチャウ群を持っている。そのような観点から、チャウ群の中で効果的なサイクルの張る錐の研究も交点理論を行う上で重要である。錐の境界には自己交点数が負の曲線がある場合が多く、そのような曲線の存在は、錐の研究には不可欠である。自己交点数が負の曲線の存在を確かめるために影平面の有限個の点のブローアップの場合に、Seshadri constantを評価するために、regularityの漸近挙動について調べた。具体的には、射影平面の有限個の点の定義イデアルの冪のregularityの漸近挙動(十分先で線型関数にるか?また、十分高いところで周期的な線型関数になるか?)について研究した。その結果は、論文として発表した。 代数多様体上の可逆層よって定まる環の研究(特に、有限生成性)は、代数多様体の研究には大きな意味を持つ。特に、標準因子で定まる環は標準環と呼ばれ、極小モデルの存在には大きな意味を持つ。ピカール数が有限の場合には、それら全ての情報を含んだ全座標環(Cox環)が定義できる。近年、全座標環の環論的性質は、非常に多くの数学者によって研究され始めている。例えば、環の生成元やシジジーの研究も進められている。シジジーの研究には、その環の標準加群が様々な情報を与えてくれる。一つのアンプル因子で定まる環のケースは、多様体の標準因子によって環の標準加群を記述することができる。Cox環においても、多様体の標準因子が環の標準因子を記述することができることを証明した。
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Research Products
(5 results)