2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540054
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
泉 脩藏 近畿大学, 理工学部, 講師 (80025410)
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Keywords | 補間 / テイラー展開 / アルチン環 |
Research Abstract |
本報告は22年度中途に疾病によって中断を余儀なくされ23年度に再開した研究の報告である。 もっとも力点を置いたのはBos,Calviの平面に埋め込まれた曲線上の関数のテイラー展開の理論の高次元化である。そこで用いるの高階接空間の一般的な点における、D-閉性が重要であるが、森本徹氏の助言を得て偏微分方程式系のプロロンゲーションのアイデアでこれを証明することができた。これはこの研究全体の鍵となる定理と考える。 これによって多様体上のテイラー展開にとどまらず、ユークリッド空間の開集合上の正則函数のなす有限炊元ベクトル空間に対してアルチン局所環を対応させる理論の構想が生まれた。この対応の意味はまだ十分解明できてはいない。 これらの中間成果を持って神戸で行われた第四回日豪特異点会議で発表を行い、またカナダはトロント大学のミルマン教授やアメリカ合衆国のパデュー大学のガブリエロフ教授を訪ね、意見をうかがった。話は局所環や解析数論にとどまるものではないので、これらロシア系を代表とする広い視野を持った研究者との討議は研究の進展にとって重要と感じる。 この研究は古典的にとどまっている補間法を、いろいろな現代数学の方法に結びつけるものであり、新しい分野を切り開くものである。
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