2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 二郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 非常勤講師 (20374184)
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Keywords | 接触構造 / シンプレクティック構造 / 円形ハンドル / 円形手術 / エンゲル構造 / 相対的局所安定性 |
Research Abstract |
研究計画の最終年度の今年度も,昨年度に引き続き接触円形手術の理論を押し進めました.3次元の接触手術に関する考察を進め,高次元への見通しがついてきました.また,この研究のひとつの目標であるエンゲルトポロジーの基礎的な研究として,エンゲル構造の部分集合に沿った芽の考察を進めました. この研究計画は,エンゲル構造など,接触構造と比べてよく知られていないところに新しい幾何学を作り出すことを大きな目標にしました.そのような高階の接触構造や高次元の接触構造を含めた統一理論を構築することをにらみながら,3次元接触構造の理論を再構成することに取り組みました.今年度までの研究で基礎を整え高次元への見通しがたちました.エンゲル構造などの高階の接触構造に関しても,得られた接触構造の理論を拡張するアイディアを得ています.この方面では,今後の展開が期待できます. もう少し具体的に,次の結果を得ました. 昨年度までの研究を受けて,シンプレクティック円形ハンドルを作り上げ接触円形手術を一般の次元で定義しました.この理論を公表すべく,論文にまとめ専門誌に投稿中です.3次元の接触多様体の場合,以前に定義したものとは少し異なり,今回の物はルジャンドル絡み目にそった手術になります.しかし,シンプレクティック円形ハンドルを使う場合も,Lutz捻りを実現することが出来ることを確認できました.そして,この理論を高次元に拡張し,高次元のシンプレクティック円形ハンドルを使った手術で高次元の接触構造の捻じれを考察する方法を得ました. Engel構造の部分多様体に沿った芽を考察するために,偶接触構造の「射影された代数的制限」という概念を作りました.ArnoldやZhitomirskiiは接触構造の代数的制限を使って考察しましたが,Engel構造はさらに強い条件を見なければいけないことは興味深いことです.
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Research Products
(7 results)