2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540063
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田崎 博之 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (30179684)
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Keywords | 微分幾何学 / 積分幾何学 / 等質空間 / 部分多様体 |
Research Abstract |
代表者が連携研究者:井川治氏、酒井高司氏とともに提起した弱鏡映部分多様体の概念は、これまでに研究されてぎたRiemann幾何学の種々の概念と密接な関係にあることを解明した。まず弱鏡映部分多様体の基本的性質を調べ、球面内においてaustere部分多様体との関連性を明らかにした。また、それら部分多様体のGauss写像の退化性をLie代数により特徴付けた。その結果、austere部分多様体やFerusの不等式の等号を成立させる部分多様体の系列を構成できた。これらの研究成果は二編の論文で発表した。 積分幾何学に現れる交叉積分公式の定式化のためには、基本的な部分多様体の交叉を明らかにすることが重要になる。代表者は複素二次超曲面の二つの実形の交叉の構造を明らかにした。それに続き、田中真紀子氏と共同で一般のコンパクト型Hermite対称空間内の二つの実形の交叉の構造を対蹠集合の観点で記述した。部分多様体の交叉が対蹠集合になるという現象は、部分多様体の大域的構造を調べるうえで重要になる。複素二次超曲面と複素Grassmann多様体の場合には二つの実形の交叉を具体的に表示でき、その表示を利用するとさらに一般の旗多様体の二つの実形の交叉の具体的表示も得られた。二つの実形の交叉に関するこれらの成果は積分幾何学の発展につながるだけでなく、Lagrange部分多様体の交叉を具体的に表示できることも示している。 幾何学的量の近似和の収束の速さを明らかにするための準備としてRiemann積分の種々の近似和の収束の速さを明らかにした。この成果は一編の論文で発表した。この研究をふまえて曲線の長さや曲率の積分、さらに曲面の面積などの幾何学的量の近似和の収束の速さの評価へ研究が進展すると期待できる。
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Research Products
(5 results)