2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540063
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田崎 博之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (30179684)
|
Keywords | 微分幾何学 / 積分幾河学 / 等質空間 / 部分多様体 / Hermite対称空問 / 実形 / 交叉 |
Research Abstract |
コンパクト型Hermite対称空間の二つの実形の交叉は対蹠集合になることを田中真紀子氏との昨年度の共同研究で解明した。部分多様体の交叉のこのような性質を積分幾何学の交叉積分公式の定式化に活かすためには、コンパクト対称空間の対蹠集合の性質をより詳しく調べることが重要になる。昨年度の研究に続いてコンパクト型Hermite対称空間を含むより広いクラスである対称R空間の対蹠集合について研究を進めた。対称R空間をコンパクトLie群の随伴軌道で表現したときに対蹠集合がLie環の可換性と密接に関連していることを明らかにした。これによって対称R空間の対蹠集合は以下の性質を持つことがわかった。 1.任意の対蹠集合に対して、それを含む大対蹠集合が存在する。 2.二つの大対蹠集合は合同になる。 さらに一般の場合には、これらの性質が成立しない対称空間の例もわかった。 田中氏との共同研究の結果からコンパクト型Hermite対称空間内の二つの実形に関するFloerホモロジーの境界作用素が消えることが導かれ、この実形の対に対するFloerホモロジーはこの実形の交叉で生成されることが入江博氏、酒井高司氏との共同研究でわかった。これによりFloerホモロジーを具体的に表示できた。さらに、二つの実形に対してArnold-Givental予想を拡張した形の不等式を得ることができた。すなわち、実形の一方をHamilton微分同相で変形したときの交点数は二つの実形のBetti数の和の小さい方で下から評価できる。
|
Research Products
(4 results)