2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540065
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 光弘 筑波大学, 名誉教授 (40015912)
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Keywords | フィッシャー情報計量 / ポアソン核 / 熱核 / 調和写像 / ビューズマン関数 / ホロ球 / 漸近調和空間 / 体積エントロピー |
Research Abstract |
当該年度では,ボアソン核に関するフィッシャー情報幾何学について前年度の研究の継続という形で研究を進めた.当所掲げた研究目標の1および2において以下のような進展があった. 研究目標1.雑誌Diff. Geom. Appl. 2011にこの間の研究結果をまとめ,発表することができた, また,漸近調和アダマール多様体の体積エントロピーがホロ球の平均曲率に一致するという結論をえた.これによって漸近調和アダマール多様体が調和多様体であるという予想に一歩近づいた. 実際目標2とも関連するが,ホロ球からなる超曲面葉層構造に付随する形作用素が,安定ヤコビテンソル場から定まるリカッチ方程式をみたす自己随伴作用素で表現されるという事実に基づき,測地球平均曲率とポロ球平均曲率の差の極限の評価をアダマール多様体上見出し,上記の結論をうることができた,ここで測地球体の体積の指数的増大度である体積エントロピーが測地球面の平均曲率を使って積分表示されることをも利用する. 研究目標2.実,複素,四元数双曲空間(階数1非コンパクト型対称空間)のホロ球主曲率による特徴づけを行うことができた.実際次のような定理をえた. 定理A:Xを近ケーラーアダマール多様体とする.任意の理想境界点θに付随するホロ球葉層H(t;θ)に対して,任意実数tで構造ベクトル場が主曲率一定の主方向を与えるならば,Xは複素双曲空間でなければならない. 実双曲空間ならびに四元数双曲空間についても同様な定理をえた.
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Research Products
(7 results)