2011 Fiscal Year Annual Research Report
3次元単位球面内の平坦トーラスに関する未解決問題の研究
Project/Area Number |
21540066
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
北川 義久 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (20144917)
|
Keywords | 微分幾何学 / 部分多様体 / 3次元球面 / 平坦トーラス / 平均曲率 / 外的直径 / 正則閉曲線 / 2重接触 |
Research Abstract |
1980年代後半,研究代表者は2次元単位球面上の閉曲線対から3次元単位球面内の平坦トーラスを構成する方法を開発した.この構成法により,現在までに,3次元単位球面内の平坦トーラスに関する興味深い研究成果が数多く得られている.本研究では,3次元単位球面内の平坦トーラスに関するこれまでの研究をさらに発展させるため,この分野における重要な未解決問題の解決を目指す.平成23年度は,平成21年度~22年度の成果を基に,直径予想「3次元単位球面内に等長的にはめ込まれた平坦トーラスの外的直径は円周率に等しい」を解決するための研究を継続した.主な研究成果は以下の通りである. 前年度に,3次元単位球面内の平坦トーラスの平均曲率が「非負または非正」ならば直径予想が正しいことを証明したので,本年度は,平均曲率についての条件「非負または非正」を仮定せずに直径予想を証明するための研究を連携研究者とともに推進した.平均曲率についての条件を仮定した直径予想の証明には,2次元球面上の正則閉曲線対に関する2重接触定理が本質的に用いられている.本年度は,この2重接触定理を一般化することにより,一般の直径予想が証明できるであろうという方針の下で研究を行った.研究の結果,直径予想の解決には至らなかったが,2次元球面上の正則閉曲線対に関する2重接触定理の別証明が得られた.この別証明のアイデアを発展させ,2重接触定理を一般化することが今後の課題である.
|
Research Products
(1 results)