2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540072
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山田 裕一 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (30303019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 進 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (10264144)
山口 耕平 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00175655)
大野 真裕 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (70277820)
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Keywords | 3次元多様体 / レンズ空間 / デーン手術 / 4次元多様体 / 枠付き絡み目 / divide knot / Kirby計算 / 特異点論 |
Research Abstract |
デーン手術によって双曲的な結び目から双曲的でない3次元多様体が"例外的に"生じる現象は「例外的手術」と呼ばれ、低次元多様体論の一分野である。筆者はこれを4次元多様体の構成に応用することを研究目標としている。本年度は、頁数の多い2つの共著論文を完成して投稿にこぎつけた。具体的には:1.門上氏(華東師範大学(中国))との共著論文(Torsion理論を2成分絡み目に応用した)を慎重に推敲して学術誌に投稿した。2.丹下氏(京大数理研)との共著論文(同じレンズ空間を生じる異なる結び目の組から構成する4次元多様体を扱う)を、執筆開始時よりも充実した内容で完成した。この種の課題に必要な基礎をすべて考察した"と自負している。その成果は広島大学と京都大のセミナーで講演した。共著者達のおかげで、筆者の少し前の結果(未執筆)の意義を見直すことができた。新規の研究集会への参加、文献購入など最新情報の吸収にも力を入れた。 研究分担者の研究について:山口氏はA.Kozlowski氏(Warsaw Univ.)との共同研究で、実代数的多様体の間の連続写像全体のなす無限次元写像空間を、実代数的写像のなす有限次元部分空間でホモトピー型がどの程度近似できるか(Atiyah-Jones型予想)などを研究した。大野氏はマッカイ対応とその関連事項を研究し、代数幾何学の中でのトポロジー寄りの成果について貴重な指摘をいただいた。廣瀬氏は、4次元球面内へのある種の標準的な向き付け不可能な閉曲面の埋め込みについて、そのGuillou-Marin二次形式を保つことがその曲面上の写像が4次元球面全体に拡張できるための必要十分条件であることを示した。筆者も修士時代にG-M形式を研究したことがあり、4次元トポロジーの基礎を振り返る良い影響を受けた。
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