2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結び目への応用を目指す結び目の局所変形の研究
Project/Area Number |
21540092
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
金信 泰造 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (00152819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 明夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00112524)
森内 博正 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 研究所員 (20453128)
田山 育男 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 研究所員 (00382036)
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Keywords | 結び目 / 絡み目 / H(2)移動 / H(2)ゴルディアン距離 / ジョーンズ多項式 / バンド手術 / DNA絡み目 / リボン・フュージョン数 |
Research Abstract |
(1) 結び目のH(2)移動の研究:H(2)移動は反ひねりのバンドによる手術による結び目解消操作である.また,H(2)ゴルディアン距離は2つの結び目がH(2)移動で移り合うためのH(2)移動の最小数である.H(2)結び目解消数を評価するためのいくつかの方法をすでに与えたが,それらがそのまま平行して,H(2)ゴルディアン距離を評価する方法に拡張できることがわかった.すなわち,H(2)ゴルディアン距離が1の2つの結び目のアルフ不変量,符号数ジョーンズ多項式の特殊値の間の種々の条件,および,Q多項式の特殊値を使ったH(2)ゴルディアン距離の評価を与えた.また,それらの方法を用いて7交点までの結び目の間のH(2)ゴルディアン距離の表を与えた. (2) 結び目のバンド手術の研究:バンド手術で移り合う2つの絡み目の間のジョーンズ多項式の特殊値,Q多項式の特殊値に関する条件を与えた,その応用として,リボン・フュージョン数(リボン結び目のフュージョンをおこなうリボンの最小数)の評価,および,DNAの部位特異的組み換えに現れる酵素の位相的な特徴付けに寄与することができた.すなわち,(6,2)型トーラス絡み目になっているDNA絡み目に組み替え酵素XerCDが作用して,7交点のトーラス結び目になっているDNA結び目が得られることが知られている.この作用はバンド手術の変形である.そこで,一般に,(2n,2)型トーラス絡み目から(2n+1)交点の結び目への1回のバンド手術による変形の特徴付けが問題となる。当研究では,2つの7交点の結び目が(2,6)型トーラス絡み目のバンド手術で得られないことを証明した.下川氏(埼玉大)によると,これにより先行結果とあわせてn=3の場合に,この特徴付けの問題は解決されたことになった.
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Research Products
(8 results)