2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21540093
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
辻 元 上智大学, 理工学部・情報理工学科, 教授 (30172000)
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Keywords | ケーラー計量 / アインシュタイン計量 / リッチ曲率 / 標準束 / 小平次元 / 多重劣調和関数 / 射影多様体 / モンジュ・アンペール方程式 |
Research Abstract |
(1)Sebasitein Boucksomと共同で、標準束がpseudoeffectiveという条件下で、時間大域的な特異解の構成を行った。これには、エネルギー法によるモンジューアンペール方程式の解の構成を応用した。 (2)さらに、(1)で述べた方法と、ケーラー・リッチ流の差分方程式による近似を用いて、ケーラー.リッチ流の対数多重劣調和性を証明した。 (3)さらにファイバーが小平次元0の代数多様体の場合について、類似の結果を得た。 定理1 f:X→Yを小平次元が非負の射影多様体の滑らかな射影族とする。このとき相対標準測度をdμ_<X/Y>とすると、Xの空でないザリスキ開集合Uが存在してdμ_<X/Y>はU上で無限回微分可能である。 上の定理から次の代数幾何学的な定理が得られる。 定理2 f:X→Yを小平次元が非負の射影多様体の滑らかな射影族とする。 このときf_*K^m_X</Y>は十分大きなmについて常に大域切断で生成される。 これは、よく知られている飯高予想を肯定的に解決するものである。定理2は定理1の標準測度のモンジュ・アンペール葉層を用いて、証明される。ここでは、距離付き標準モデルのモジュライ空間への分類写像のファイバーとして、葉が実現されることが分かる。
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