2011 Fiscal Year Annual Research Report
対称空間内の部分多様体の無限次元幾何および複素化を利用した研究
Project/Area Number |
21540095
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小池 直之 東京理科大学, 理学部, 准教授 (00281410)
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Keywords | 幾何学 |
Research Abstract |
平成22年度に、無限次元ヒルベルトリー群のある種の余等質有限の自由な等長作用をもつ無限次元ヒルベルト空間内の、その作用により不変な超曲面を初期データにもつ平均曲率流の研究を創始し、それに関するいくつかの基本的な事実を示しました。この作用の軌道空間は、有限次元リーマン多様体であり、この研究は、その軌道空間内の超曲面を初期データにもつ平均曲率流の研究に適用することができます。それゆえ、この研究は、その軌道空間として生ずる有限次元リーマン多様体内の超曲面を初期データにもつ平均曲率流の研究を無限次元の線形空間へリフトして研究を行うためのものと解釈されます。そのような軌道空間として生ずる有限次元リーマン多様体の例としては、コンパクトリーマン等質空間が挙げられます。 本年度の主な研究成果の1つは、この研究を推進し、上述のような無限次元ヒルベルトリー群の作用をもつ無限次元ヒルベルト空間内の不変な超曲面のある種の強凸性条件の平均曲率流に沿う保存性の証明をほぼ完成させたことです。今後、この結果を用いて、軌道空間内のコンパクト超曲面の強凸性の平均曲率流に沿う保存性(,これは、Huiskenによって既に示されている事実)が導き出されること、つまり、Huiskenの結果の新しい証明が得られることが期待されます。本年度のもう1つの主な研究成果は、対称空間内のコンパクト向き付けられた超曲面(境界をもっても良い)に対し、非等方的表面エネルギー汎関数を導入し、その第1変分公式を得、また、非等方的等径超曲面および非等方的等焦超曲面の概念を導入し、それらの同値性を、無限次元ヒルベルト空間へのリフトを利用して示したことです。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、本年度、上述のような無限次元ヒルベルトリー群の作用をもつ無限次元ヒルベルト空間内の不変な超曲面のある種の強凸性条件の平均曲率流に沿う保存性の証明をほぼ完成させましたが、この作業に予想以上に多くの時間を費やし、また、対称空間内のコンパクト向き付けられた超曲面に対する非等方的表面エネルギー汎関数の研究が新たに浮上したため、交付申請書に記載した内容の研究は、多少進展があったものの、あまり、進展していないのが現状です。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降は、主に、次の2つの研究を並行して進めて行きたいと考えています。 1.無限次元ヒルベルトリー群のある種の余等質有限の自由な等長作用をもつ無限次元ヒルベルト空間内の、その作用により不変な超曲面である種の強凸性条件を満たすものが平均曲率流に沿って(その作用の)ある1つの軌道に崩壊するかどうかの研究を本格的に行うと共に、その作用により不変な余次元有限の部分多様体を初期データとしてもつ平均曲率流の研究を本格的に始めたいと考えています。 2.対称空間内のコンパクト向き付けられた超曲面に対する非等方的表面エネルギー汎関数の研究をさらに推進し、具体的には、非等方的表面エネルギー汎関数の境界固定の変分に関する第2変分公式を導き、また、非等方的表面エネルギー汎関数に濡れエネルギーの項を付加した汎関数に対する、ある種の自由境界値問題を設定し、それに関する基本的な事実を導きたいと考えています。
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Research Products
(3 results)