2010 Fiscal Year Annual Research Report
基本群の間の全射準同型写像から定まる3次元多様体の半順序関係に関する研究
Project/Area Number |
21540100
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
北野 晃朗 創価大学, 工学部, 教授 (90272658)
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Keywords | 結び目 / 結び目群 / 全射準同型写像 / 写像度 / Casson不変量 / ねじれAlexander不変量 |
Research Abstract |
本年度は研究計画および昨年度までの研究の進捗状況を踏まえて, ●結び目の間に半順序関係が成立する(すなわち結び目群の間に全射準同型写像が存在する)必要条件・十分条件, ●写像度がゼロの写像から誘導される全射準同型写像の特徴付け, ●全射準同型写像と結び目のCasson不変量との関係, に関して研究を行った. 特に写像度ゼロの写像に関しては写像度がゼロでないものと両立するかどうかについての研究を行い,部分的な結果を得た. また,Casson不変量との関係に関しては,Cassonによる定義は基本群のSU(2)-既約表現の個数を代数的に数え上げるというものであるため,全射準同型写像に関して自然な振る舞いが予想される.これに関して,結び目のCasson不変量だけではなく,1/n-surgeryして得られるhomology 3-sphereの3次元多様体としてのCasson不変量,また結び目に沿ったdouble branced coveringとして現れるrational homology 3-sphereのCasson-Walker不変量と結び目群あるいはこれら3次元多様体の基本群の間の全射準同型写像との関連について森藤孝之氏(東京農工大)と共同研究を行い,部分的な結果を得た. 一方,結び目の重要なクラスの一つである(p,q)-トーラス結び目に関しても,その結び目群のSL(2,C)-既約表現全体の空間の構造,およびそれに対応するねじれAlexander多項式の振る舞いに関して森藤孝之氏(東京農工大)と共同研究を行い結果を得た.
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Research Products
(2 results)