2011 Fiscal Year Annual Research Report
基本群の間の全射準同型写像から定まる3次元多様体の間の半順序関係に関する研究
Project/Area Number |
21540100
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
北野 晃朗 創価大学, 工学部, 教授 (90272658)
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Keywords | 有限素体 / 結び目群 / 非可換表現 / 全射準同型写像 / metabelian表現 |
Research Abstract |
今年度は有限素体上の2次元SL(2,F)-表現の存在という基本的な問題に関して研究を行なった。基本群の間に半順序関係の存在を判定する事は具体的に全射準同型写像を構成する、あるいはdegree one mapsを構成する必要がある。そのために現段階では半順序関係が成立するための十分条件の研究が中心となっている。言い換えると、半順序関係が存在しないための必要条件の研究である。その際に,有限群への表現の個数やその表現から定まるtwisted Alexander多項式は基本的な道具立てである。しかし,有限群,特に有限体上の線型群への表現がいつ存在するかを決定する事は有限体上で代数方程式を解く事に帰着し、一般的には難しい問題である。そこでこの問題に関して,少なくとも無限個の素数に関して,その素数を標数とする有限素体F上でSL(2,F)-表現が存在するかどうかという問題をその第一段階として研究をした。可換な表現はいつでも存在するので,問題は非可換な表現が存在するかどうかである。 結び目に制限した場合に「結び目のAlexander多項式が非自明であるならば,結び目群の非可換metabelian表現が存在する」事を証明した。これはde Rhamの古典的な定理を用いてAlexander多項式の零点に対応して,可換な表現が非可換なmetabelian表現に変形できる事を用いて証明される。 結び目に限らず、3次元多様体の基本群は剰余有限だけではなく、さらに剰余有限単純であることがしられており、この有限体上のSL(2,F)への表現の研究はそこと結びついて、さらに結び目群の副有限完備化の研究への布石になると考えられる。
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Research Products
(7 results)