2011 Fiscal Year Annual Research Report
完全差集合族とそのレーダー配列への応用に関する研究
Project/Area Number |
21540108
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
繆 いん 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10302382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 良叔 筑波大学, システム情報系, 教授 (30165443)
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Keywords | 組合せ論 / 完全差集合族 / レーダー配列問題 / 情報セキュリティ / マルチメディア指紋 / 分離可能符号 / 追跡アルゴリズム / マルコフ連鎖モンテカルロ法 |
Research Abstract |
完全差集合族とは、{0,1,_,v-1}の有向部分集合の族で、1≦d≦(v-1)/2の範囲でどの整数dに対しても同一有向部分集合内に入っていて、d=x-yとなる順序付きペア(x,y)がちょうど一つである組合せ構造である。完全差集合族はレーダー配列問題や情報セキュリティに応用される。 平成23年度は、主に完全差集合族のマルチメディア指紋理論における不正ユーザの追跡問題への応用に集中した。デジタル指紋理論では、ユーザを特定する指紋(ユーザ固有のID情報)をコンテンツに埋込んで、海賊版で検知された情報から、不正な指紋を作り出し、その海賊版を作った不正ユーザを追跡する。Cheng・Ji・繆(掲載済み)は完全差集合族のアイデアをマルチメディア指紋問題に適用し、マルチメディア指紋符号の一種である分離可能符号の符号語数の上界や最適な分離可能符号の構成を行った。組合せ論により、符号長が2である時の一部、及び符号長が3である時の全ての最適な分離可能符号を構成した。分離可能符号に基づいた不正ユーザ追跡アルゴリズムでは、不正ユーザ数がある定められた定数を超えない場合、不正ユーザを全て捕まえるが、その限界を超えると、不正ユーザを正しく追跡できなくなる。この問題を解決するために、Cheng・繆・Wu(準備中)はマルコフ連鎖モンテカルロ法により確率的不正ユーザ追跡アルゴリズムの開発を試みて、いくつかの面白い結果を得た。
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Research Products
(8 results)