2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保川 達也 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20195499)
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Keywords | 線形混合モデル / 多変量回帰モデル / 小地域推定 / 変数選択 / 高次元問題 / リッジ推定 / ミニマックス性 / 情報量規準 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、多変量データを解析するためのモデルにおいて従来の推測手法を改良する新たな統計手法を開発し,理論的側面と数値的側面からその有効性と有用性を示すことにある。22年度に得た成果は以下の通りである。(1)線形混合モデルに説明変数の選択基準を導出した。条件付き情報量規準に関して,真のモデルを選択する意味において従来の方法より優れた変数選択基準を導出するとともに,分散成分が未知の場合への拡張も行った。また経験ベイズの考え方を導入した変数選択基準を導出し一致性を証明した。(2)多変量線形回帰モデルにおいて,データ数と変量の次元がともに大きい,いわゆる高次元の問題設定を扱い,こうした状況で相応しい赤池情報量規準を導出した。高次元の場合,共分散行列の通常の推定量が不安定になるのでリッジ型推定量を利用し,また変数どうしの線形共線性にも対処するため回帰係数ベクトルに対してもリッジ型の推定量を用いた。バイアス項を解析的に求め,得られた情報量規準の数値的な良さを調べたところ,通常のAICよりも優れていることが確かめられた。(3)平均が正に制約されているK個の正規分布の平均の和の推定問題を考えると,Kが大きいときには一般化Bayes推定量や最尤推定量がミニマックスにならない。それぞれの推定量についてミニマックス性が成り立つための必要十分条件を導出した。また許容的でミニマックスな推定量を導出するとともにいくつかの方向への拡張を行った。
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