2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540118
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
今野 紀雄 Yokohama National University, 工学研究院, 教授 (80205575)
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Keywords | 量子ウォーク / 閾値ネットワーク / 極限定理 |
Research Abstract |
1次元2状態の基本的な量子ウォークに関しては既に多くの知見が得られているので、それを拡張したモデルの局在化と極限定理などについて研究を行った。具体的には、空間に依存する場合と時間に依存する場合である。空間に依存する場合は、アダマールウォークを含む典型的な2つのクラスを導入した。そして一方のモデルでは局在化が起きないが、他方のクラスでは局在化が起きることを証明した。特に前者のモデルでは、弱収束極限定理についての結果を得ることが出来た。そのことにより、極限分布が原点のダイナミクスにしか依存しないことを示すことが出来、非常に興味深い結果であると考えられる。また、後者のモデルは、非自明な最も簡単な局在化が起きるモデルであり、その意味で本結果は大変意義がある。さらに閾値ネットワークのあるクラスで固有値と固有ベクトルを求めることに成功した。また、その手法を援用し、閾値ネットワーク上の連続時間量子ウォークの定常分布について解析を行い、古典の連続時間ランダムウォークとの違いを明らかにした。具体的には、古典の場合には一様分布に収束するが、量子ウォークの場合には、時間平均を取ると出発点にウォーカーが存在する確率が高い。その性質を用い、量子ウォーカーの存在確率を制御できると考えられる。
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