2009 Fiscal Year Annual Research Report
移動境界を有する流れ問題の高機能有限要素法とその応用に関する研究
Project/Area Number |
21540122
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大森 克史 University of Toyama, 人間発達科学部, 教授 (20110231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 範和 富山大学, 人間発達科学部, 講師 (50409679)
村川 秀樹 富山大学, 大学院・理工学研究部(理学), 助教 (40432116)
奥村 弘 富山大学, 総合情報基盤センター, 講師 (30355838)
|
Keywords | 応用数学 / 数値解析 / 流体力学 / 移動境界問題 / 有限要素法 |
Research Abstract |
自由界面問題を中心とする2流体の複雑流れ問題に対し特性有限要素法に基づく高精度な数値計算手法(SLG法)を開発した。また、2流体界面おける表面張力の問題に対しても特性有限要素法による高精度計算法を開発した。これにより気液2相流など密度比が1:1000に達する複雑な自由界面問題に対しても実験値ときわめてよい一致が得られ本手法が高精度かつ数値安定性に優れていることを確認した。 導電性流体に対するMHD方程式の漸近安定性について考察した。3次元単連結有界領域において、流体の粘性係数が十分に大きく、かつ伝導度が十分に小さい場合に3乗可積分関数のクラスに属する定常解がただ一つ存在する事を示した。さらに、初期摂動が3乗可積分関数空間のノルムの意味で小さい場合に得られた定常解は指数安定であることを示した。 氷の融解問題や地下水の流れ問題に代表される自由境界問題を自由境界を陽に含まない半線形反応拡散系により近似する研究を行った。さらに、その反応拡散系を離散化することにより、自由境界問題に対する数値解法を提出した。取り扱った反応拡散系はlつの偏微分方程式とlつの常微分方程式からなっている。この系を利用した数値解法を用いると、自由境界などの取り扱いにくい部分を計算コストの少ない常微分方程式の計算に置き換えることができ、効率的に数値解を得ることができる。 次年度以降の大規模な数値実験に備え、GPGPUを利用した数値計算が行えるワークステーションを購入し、そのベンチマークテストやプログラム開発のための準備を行った。
|