2011 Fiscal Year Annual Research Report
離散観測に基づく確率微分方程式の統計推測理論とその応用
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21540126
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 雅之 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70280526)
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Keywords | 統計科学 / 確率微分方程式 |
Research Abstract |
確率微分方程式によって定義されるエルゴード的拡散過程モデル(統計モデル)が真の拡散過程を含んでいる場合(特定された拡散過程モデル)の統計的適応型推測理論を,拡散過程モデルが真の拡散過程を含んでいるとは限らない場合((誤特定を許す拡散過程モデル)に一般化する研究を行った.具体的には,高頻度データに基づいて,誤特定を許す拡散過程モデルのドリフトパラメータとボラティリティパラメータの適応的最尤型推定量を導出し,その漸近正規性およびモーメント収束性を証明した.ボラティリティ項が誤特定された拡散過程モデルについては,同時最尤型推定法により導出されたボラティリティ推定量の場合と同様に,提案された適応的最尤型ボラテリティ推定量の収束率は特定された拡散過程モデルの場合よりも遅く(悪く)なることが確認された.また,計算機シミュレーションによって,提案された適応的最尤型推定量の方が,先行研究の同時最尤型推定量よりも漸近的パフォーマンスが安定していることを検証した.さらに,適応的最尤型ボラテリティ推定量を応用して,拡散過程モデルが誤特定されているかどうかの統計的仮説検定問題の研究を行った.ボラテリティ項が誤特定された場合の適応的最尤型ボラテリティ推定量の収束率は,ボラテリティ項が特定された場合よりも悪くなるという性質を利用して,仮説検定問題を定式化し,適応的最尤型ボラテリティ推定量を用いて検定統計量を構成し,それが帰無仮説の下でカイ自乗分布に分布収束することや検定の一致性などの漸近的性質を証明した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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