2011 Fiscal Year Annual Research Report
非線形な確率動的決定過程における不変埋め込み法による理論構築
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21540132
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
大坪 義夫 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (20136360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 正實 千葉大学, 理学研究科, 教授 (00041244)
吉田 祐治 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (90192426)
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Keywords | マルコフ決定過程 / リスク最小化 / 動的計画 / ポートフォーリオ / 強自動連続性 / 閾値確率 / 最適方程式 / フィボナッチ数列 |
Research Abstract |
研究実施計画に従って,次の研究成果を得た. 1.研究代表者は,閾値確率最小化問題において,従来は評価関数が正値のみを取る場合と割引型に対して研究されたが,ここでは負値を取る場合について研究した目標集合を伴うマルコフ決定過程におけるリスク最小化問題を導入し,再帰クラスを伴う決定過程として定式化した.目標集合が吸収的であるとき,最適値関数が非線形な最適方程式の一意解であることを示した,また,最適値関数を値反復法で求めるとともに,最適定常政策の存在を与え,最適政策を求めるために政策改良法を導入した.さらに最適閾値確率は分布関数であること示し.この成果は論文としてまとめ,発表した. 2.研究分担者安田は,集合関数の下方からの強自動連続性と強収束の概念を導入し,単調測度の4つのタイプの下方からの強自動連続性を利用して,可測関数の列に対して,測度の収束と擬収束の関係を研究した.この成果は論文としてまとめ,発表した. 3.研究分担者吉田は,不確実性を伴う動的ポートフォーリオ割当てモデルにおいて,バリューアットリスクの概念を導入し,動的計画法アプローチにより最適性条件と最適ポートフォーリオを求めた,特に.最適な時間平均バリューアットリスクは,自然な条件のもとで最適方程式の解であることを示し,最適政策をその方程式から得た.これらの成果は論文としてまとめ,発表した. 4.連携研究者は2次最適化問題に対して,主問題と双対問題の最適値と最適解の関係を研究しフィボナッチ数列との関連を研究した.この成果は論文としてまとめ,発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形な確率動的決定過程において,最近注目をあびているリスク最小化問題である閾値確率最小化問題において,負値に関して研究され応用分野が大きく広がり,数理経済学への応用を目指しているバリューアットリスクの概念もリスク最小化の一連の研究である.これらについて得られた成果はこの分野の発展に十分に貢献していて,当初の研究目的はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
非線形な確率動的決定過程として,当初の目的に挙げた結合型評価関数に関する研究は順調に進捗していて,研究期間内に成果を公表できると思われる.また,最適停止問題におけるリスク最小化に関する研究も順調に進展している.
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Research Products
(4 results)