2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540136
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 正人 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (70263358)
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Keywords | 亀裂進展 / フェーズフィールドモデル / 反応拡散系 / 特異摂動問題 / 固有値問題 / 移動境界問題 / 面積保存 |
Research Abstract |
これまで様々な数値計算モデルが提案されながら,数学的に明瞭な数理モデルを欠いていた弾性体内の亀裂進展に関して,移動境界問題において発達した数理手法であるフェーズフィールド法を用いたモデリングを行い,正則化されたエネルギーの勾配系として反応拡散方程式型の数理モデルを導いた.また,アダプティブメッシュ有限要素法を用いて,モードIII亀裂進展の数値シミュレーションを行い,モデルの有効性を確かめた.(T. Takaishi and M. Kimura) いくつかの移動境界問題やパターン形成の問題に関連して,移流項の卓越した楕円型作用素のディリクレ境界条件下での固有値問題を取り上げ,その特異摂動問題をエネルギー評価を用いた手法により解析した.速度ポテンシャルの井戸の深さが,固有値の指数減衰現象の指数に対応することなどを証明した.(S. Jimbo, M. Kimura and H. Notsu) 多くの移動境界問題が持つ特徴であり,数値計算上の困難さの元にもなっていた,面積保存性や界面縮小性,法線ベクトル場・曲率項などの幾何学的諸量の数値的取り扱いを簡便にする手法として,多角形版移動境界問題の枠組みを構築し,様々な移動境界問題がその枠組みで扱えることを示した.また,面積保存2次精度の時間方向陰的スキームを開発し,その収束証明を行うとともに,数値例を通して本手法の有効性を確認した.(M. Benes, M. Kimura and S. Yazaki)
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