2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540140
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三澤 哲也 Nagoya City University, 大学院・経済学研究科, 教授 (10190620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 孝夫 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20106256)
宮内 肇 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20181977)
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Keywords | 確率系 / 効用無差別価格 / リスク尺度 / プロジェクト価値 / 数理ファイナンス / 確率シミュレーション / 電力システム / 電力市場 |
Research Abstract |
本研究の目的は、確率力学系の力学構造研究の一環として、「確率力学系の対称性理論ならびに構造再現性を意識した数値近似法」の観点から、プロジェクト事業や電力システムにかかわる様々なリスクの分析にアプローチすることにある。今年度の成果は以下の通りである。 1代表者・三澤哲也は、「効用無差別価格」からのプロジェクト価値評価法に関心を持ち、それが一種の「期待値不変量(保存量)」のフレームワークで捉えうることを確認した。さらに、実用上は効用関数の推定問題がネックとなることを考慮し、リスクを含むプロジェクトの期待効用価値評価手続きを簡約化してある種のプロビット型の確率系を導き、効用関数を経ずに過去のデータよりプロジェクト実施の意思決定が可能な手続きを定式化した。 2分担者・宮原孝夫は、必ずしも市場で取引されない資産の価値評価法を、リスクを考慮しつつ評価する価値尺度として定式化することを目指した基礎研究を行い、リスク鋭感的価値尺度が有効性を持ちうることを示した。 3分担者・宮内肇は電力事業に関わるリスクの分析として、電力市場リスクや事業投資リスクに関わる確率モデルとその推定・シミュレーション分析に従事し、前者については推測統計的な立場から電力価格に関する精度のよい回帰モデルを三澤とともに定式化した。後者については、上述の三澤の手続きにもとづいて、火力電力設備に関する投資プロジェクトを題材としたパイロットシミュレーションを実施し、提案されたプロジェクト実施意思決定法の有効性を確認した。 以上の成果は代表者、分担者による個別の研究発表(口頭、論文)や共同研究発表の形で公表している。さらに3月13日にRisk workshop 2010を名古屋市立大学にて開催し、3者の成果を持ち寄り研究発表を行うとともに、関係研究者による招待講演も実施し、今後の研究の展開方向を探った。
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Research Products
(23 results)