Research Abstract |
実験条件のほぼ同じである大区画(ブロックという)がいくつかあり,各ブロックはp行q列に分割され(その分割された区画をwhole-plotという),各whole-plotはs個の小区画(subplotという)に分割されている.因子Aの処理をwhole-plotに割り付け,因子Bの処理をsubplotに割り付けて行われる2因子実験において,因子A,因子Bの主効果,交互作用効果を比較し,各因子のどの処理に効果があるか,また,2つの因子のどの処理組合せに効果があるかを調べることが目的であり,このような2因子実験をネステッド構造をもつ分割型2因子実験という.Kachlicka and Mejza (2004)はwhole-plot処理に関する計画にsubplot処理に関する計画をクロネッカー積によって埋め込み,whole-plot処理に関する計画として,Youden squareを用い,subplot処理に関する計画として,balanced incomplete block designを用いて(このことを以下では,[Youden square, balanced incomplete block design]と略記する),ネステッド構造をもつ分割型2因子実験に対する計画を構成し,その統計的性質を明らかにした.我々はKachlicka and Mejza (2004)の結果を一般化しつつ,[Youden square, group divisible design], [Youden square,一般のブロックサイズが一定のdesign], [cyclic design,一般のブロックサイズが一定のdesign], [nested row-column design,一般のブロックサイズが一定のdesign]に対して,ネステッド構造をもつ分割型2因子実験に対する計画を構成し,その統計的性質を明らかにした.したがって,より多くのパラメータに対して,ネステッド構造をもつ分割型2因子実験を行うことができ,実用性の観点から,これらの結果は有用であると考えられる.
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