Research Abstract |
本研究の研究目的として申請時に設定した課題は,定常性の反映原理として知られている様々な無限組合せ論的原理の間の関連性の分析であった. 平成22年度の研究では,定常性の反映原理のうち,研究代表者と,ハンガリー科学アカデミーのLajos Soukupによって,2008年頃に定式化された,Fodor-type Reflection Principle(FRP)に関する基本結果とFRPからの様々な数学的帰結を含む論文をJuhasz,Soukup,Szentmiklossyおよび薄葉との共著として完成させ発表した.また,この論文に収録しなかった,一般位相空間論でのFRPの応用に関する結果を単著の論文として発表した(11.研究発表での雑誌論文の項を参照). 研究代表者と,酒井拓史,Soukup,薄葉による研究で,上の2論文で示した,FRPから帰結される,グラフ理論や,一般位相空間論などでの性質に関する反映原理の多くは,実は通常の集合論の公理系(ZFC)上FRPと同値になることが示されている. FRPがSingular Cardinal Hypothesis(SCH)を導くかどうかが平成21年度の研究での懸案となっていたが,SCHより更に強いShelah's Strong Hypothesis(SSH)がFRPから導かれることをRinotとの共同研究によって証明した.(反映の原理として知られているもののうちFRPより強いものからは連続体濃度がω2以下になることが帰結されるため,SCHとSSHはこれらの原理の下では同値になるが,FRPは連続体濃度に制限を果さないため,ここでは,この同値性は成り立たない).この結果を用いて,ブール代数がopenly generatedであることのω1へのreflectionとFRPの同値性を確立し,この結果を発表した(11.研究発表での雑誌論文の項を参照).
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