Research Abstract |
平成22年度までの研究で,Fodor-type Reflection Principle(FRP)が,多くの数学的性質の濃度≦ω1の構造へのreflection(以下full reflectionと呼ぶ)と同値になることを証明した.今年度の研究では,無限グラフのchromatic numberの可算性など,FRPとは異るタイプのreflectionのパターンを示す性質との関連についての研究も始めている.これらの性質ではfull reflectionの不可能性がZFCから帰結できる:bethωがchromatic numberの可算性のreflection numberの下限の1つになる(Erdos-Hajnal).一方,無限グラフのcolorlng number可算性では,full reflectionはFRPと同値になることが,研究代表者と,酒井拓史,Lajos Soukupおよび薄葉季路による共著輪文(現在preprint)で示されている. 無限グラフのlist-chromatic numberの可算性は,これらの2つのreflectionsのタイプのどらとも異なり,そのfull reflectionはFRPと独立になることが,研究代表者と酒井との共同研究によって示された.この結果は,以下に述べる研究結果と合せた論文として発表される予定である.研究代表者は,これについての講演発表を,バルセロナでのワークショップと,12.Asian Logicc Conferenceでの招待講演として行なった. 本研究の研究目的は,FRPに関連する研究を推し進めることだけでなく,その視点から,集合論の公理系の可能な拡張についてのより広域的な考察をすることにあった.後者のラインに関連する研究結果として,FRPが,Todorcevic,Qiらによってその無矛盾性と多くの帰結について研究されているRad5's conjecture(RC)から導かれることが証明された.この結果から見えてくる多くの自然な問題についての研究を開始したところで,これについては,上に述べた結果も合せて,研究代表者と,酒井拓史,Victor Torresおよび薄葉季路が共同でさらに研究を進めているところである.
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