2009 Fiscal Year Annual Research Report
非負実数上の計算可能解析-ウォルシュ・フーリエ変換と分布の計算可能性―
Project/Area Number |
21540152
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
森 隆一 Kyoto Sangyo University, 理学部, 教授 (00065880)
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Keywords | ファイン位相 / ファイン連続関数 / ファイン計算可能関数 / 計算可能関数 / 計算可能分布 / 分布の実効的収束 / フラクタル / ランダムな反復アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究の目標は、不連続関数に対するファイン計算可能関数の理論とウォルシュ・フーリエ解析の理論の実効化の発展、および、これらをふまえて、確率分布と分布関数の計算可能性の定式化と収束に関する基本的な理論の実効化を研究することである。まず、準備的研究と位置付けられる、2次元ファイン計算可能関数の積分論の実効化の結果が出版された(論文1)。分布μの計算可能性は、分布の弱収束に対応して、有界計算可能関数列f_nの積分μ(f_n)が計算可能実数列となることで自然に定義される。本年度は、一般の場合に対する予備的考察として、分布が有界密度関数をもつ場合(このとき、分布関数は連続関数となる)を扱った。計算可能性に関しては、分布μが計算可能であることと、対応する分布関数FがPour-El・Richardsの意味で計算可能となることとは同値であることを示した。また、実効的収束に関しては、有界計算可能関数列f_nに対する積分μ_m(f_n)の実効的収束で定義される分布の実効的収束と、計算可能実数列x_nに対してF_m(x_n)の実効的収束で定義される分布関数の実効的各点収束とが同値となる結果を得た(論文3、発表1)。 ファイン連続関数であるが局所一様ファイン連続でないBrattkaの例とこの拡張である森の例は無限個の縮小写像のによる自己相似性をもつこと既にしめされている。これは、平面におけるMarkov-自己相似集合、およびこれと同値な、グラフ-有向集合となる成果も出版された(論文2)。この結果の発展として、グラフ-有向集合は対応するランダムな反復アルゴリズムにより生成されるという結果が得られた(論文4、発表2)。なお、これらの研究は八杉代表による科研費との共同研究である。
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Research Products
(6 results)