2010 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
21540157
|
|---|
| Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
|---|
Principal Investigator |
西山 陽一 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (90270412)
|
|---|
| Keywords | 確率過程 / 漸近理論 / 推定 / 検定 / マルチンゲール / 変化点問題 / 不変原理 / 適合度検定 |
|---|
| Research Abstract |
無限次元空間上の手法を用いた統計解析を発展させるにあたって,ヒルベルト空間に値を取るマルチンゲールに対する中心極限定理を改良・証明した.完全正規直交系との内積の条件付き期待値の収束に加えて,ノルムの条件付き期待値の収束が満たされていれば,緊密性が成立することを発見した.
それを拡散過程の適合度検定や変化点問題に応用した.特に,変化点問題に関しては,Fisher-Score Process法が確率過程モデルに非常に適用しやすいことを見いだし,従来より研究していた確率場の弱収束理論を援用して,計数過程モデルを含むさまざまなモデルに対して同様の結果を得た.
他にも,カーネル推定量の一様収束率の研究や,L_2空間における弱収束に関する予想の否定的解決などを行った.射影推定量の漸近的L_2誤差が真の分布に依存せずに与えあれることを発見した.丸め誤差の扱い方の研究などを行った.ノンパラメトリック変化点問題に対し,ランクに基づく新しい検定統計量を提案した.それは漸近的分布不変であるばかりでなく,サンプル数を固定しても分布不変になるというメリットをもつ.コンピュータ実験による妥当性も確かめた.
マルチンゲール理論に基づく統計解析の研究を始める方(主として,理工系の大学院生)のための教科書の大部分を執筆した.同書は2011年9月に刊行予定である.
|
