2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540163
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
太田 雅人 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00291394)
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / 非線形波動方程式 / 非線形シュレデインガー方程式 / 定在波 / 安定性 |
Research Abstract |
1.非線形シュレディンガー方程式の定在波解に対する線形不安定性と非線形不安定性の関係について、Vladimir Georgiev教授(Pisa大学)と共同研究を行った。線形不安定ならば非線形不安定であることが期待されるが、従来の研究では、非線形項及び次元にかなり強い仮定が必要であった。本研究では、定在波解の周りでの線形化方程式に対する適切なストリッカーツ型評価式を確立し、一般次元における一般的な非線形項に対して、この問題を解決した。 2.抽象的非線形シュレディンガー方程式の束縛状態の不安定性に関する、これまでの理論を見直し、その一般化及び証明の簡易化を行った。さらに、安定性と不安定性の境目にあたる場合の不安定性に関する新しい十分条件を与えた。 3.プラズマ中のラマン増幅現象に関連した、非線形シュレディンガー方程式系について、Mathieu Colin氏(ボルドー第1大学)と共同研究を行った。我々の以前の研究では、半自明な定在波解の安定性と不安定性について調べてきた。本研究では、ある特殊な状況ではあるが、この半自明定在波解から分岐する非自明な定在波解の大域的構造及びその安定性、分岐点における半自明定在波解の安定性、基底状態の完全な分類を行った。特に、分岐点においては、高次の非線形摂動の取り方により、安定な場合と不安定な場合が実際に両方とも現れることを証明することができた点は大きな成果であると考えている。
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Research Products
(4 results)