2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540163
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
太田 雅人 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00291394)
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / 非線形シュレディンガー方程式 / 非線形波動方程式 / 孤立波 / 定在波 / 安定性 |
Research Abstract |
ボーズ・アインシュタイン凝縮などのモデル方程式とした現れる、3次の非線形項とトラップ・ポテンシャルを含む、非線形シュレディンガー方程式の2成分連立系を空間2次元において考察した。成分間に対称性がある場合には、対応する単独方程式の基底定在波解から連立系の定在波解が得られるが、半古典近似領域において、その定在波解の安定性について研究し、成分間の相互作用が引力的な場合は軌道安定であり、逆に斥力的な場合は軌道不安定であることを示した。成分間の相互作用が引力的な場合の結果は、T.- C. Linand J. Wei(2008)の結果の若干の拡張であるが、より重要な点は、証明を大幅に簡略化したことである。結論として、成分間に対称性がある場合は、連立系の定在波解の安定性は、対応する単独方程式の定在波解の安定性から簡単に導くことができることを明らかにした。一方、成分間の相互作用が斥力的な場合の定在波解の軌道不安定性は線形不安定性を示すことにより証明した。非線形シュレディンガー方程式の定在波解に対して、線形不安定ならば軌道不安定であることは、前年度、Vladimir Georgiev氏(ピサ大学)との共同研究により、一般的な仮定の下で証明したが、今の場合は非線形項が滑らか(3次多項式)であるため、そのような一般的な定理を用いることなく、容易に示すことができる。なお、この不安定性に関しては、空間1次元でポテンシャルを含まない場合に対しても同様に証明することができる。
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Research Products
(3 results)