2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540165
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
上村 豊 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 教授 (50134854)
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Keywords | 半周期 / 復元力 / 逆問題 / 常微分方程式 / 第一分岐 / 非線形項 / 大域存在定理 / 非線形積分変換 |
Research Abstract |
本研究課題のテーマの1つである「常微分方程式境界値問題の分岐理論における逆問題と非線形積分変換」の関連で、半周期と振幅の関係から復元力を決定する逆問題に取り組み、半周期が振幅のLipschitz連続な(正値)関数であれば、その半周期関数を実現する復元力が大域的に存在することを示し、かつ、その復元力を求めるアルゴリズムを確立した。この結果は、Alfabicka(1984)の局所存在定理の確立以来、長い間未解決問題として懸案であった大域存在定理の証明に初めて成功した点で 大変重要である。証明は、逐次近似法と分数階微分積分解析(fractional calculus)を巧妙に組み合わせる技法でなされており、その結果としで、復元力を実際に構成する手順が導き出すことに成功した。 上の成果は、自励系の常微分方程式境界値問題の第一分岐から非線形項を決定する分岐理論の逆問題(逆分岐問題)に適用され、非線形項に第一分岐を対応させる変換(分岐変換)が機能的に働く空間設定の導入に結びつき、この空間設定のもとで、分岐変換は全単射になり、また、その空間設定の位相で同相であることが証明された。すなわちこの自励系の常微分方程式境界値問題の非線形項は第一分岐から、(1)存在(2)一意性(3)安定性 をもって再構成されることが示された。 さらに、上の非線形変換を含むより一般の非線形積分変換の研究が展開され、他の数理逆問題への応用も視野に入れた積分変換の理論が構築された。
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Research Products
(4 results)