2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540165
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
上村 豊 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (50134854)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 逆問題 / 周期運動 / 復元力 / 移流拡散 |
Research Abstract |
トレーサーの観測から移流項と拡散係数を定める問題に取り組み、一定の深さのトレーサー濃度とフラックスから、移流項と拡散係数がどこまで定まるかを示すとともに、この問題と相対論的量子力学の逆散乱問題との関係を明らかにした。 また、昨年度に得られた非線形自励微分方程式の解の振幅に周期を対応させる関数(周期対応関数)から復元力を大域的に定める問題に対する成果を踏まえ、非線形自励微分方程式の解の初速0における位置に周期を対応させる関数(周期初期値対応関数)から復元力を大域的に定める問題に取り組み、次の結果を得た。(1)非自明C^1級対合と合成不変な局所リプシッツ連続関数が与えられたとき、これを周期初期値対応関数として実現する(連続な)復元力が大域的に存在する。(2)その復元力が一意に定まるためには、与えられたリプシッツ連続関数が定数部分を持たないことが必要十分である。 周期初期値対応関数から復元力を定める問題は、周期振動の周期の観測から復元力を求める逆問題であり、逆問題の立場からは、上記結果の(2)は振動がどこかで等時性を持つようなことがない限り復元力を定めることができることを示している。これは、マノサスとトレスが2008年に発表した解析関数に対する定理、すなわち、原点において正の値をとり、そこで極大または極小になる定数でない解析関数が与えられたとき、これを周期初期値対応関数として実現する解析関数がただ1つ存在する、の一般化に相当し、部分的な等時現象が引き起こす復元力の不定性を、現実的な関数空間の中で見出したものと言える。これらの結果は、昨年度に得られた周期対応関数)から復元力を大域的に定める問題に対する成果(兼谷猛志との共同研究)と併せ、周期運動から復元力を定める逆問題の完全解決を成した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)