2011 Fiscal Year Annual Research Report
正則自己同型群による複素多様体の特徴付けに関する諸問題の研究
Project/Area Number |
21540169
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
児玉 秋雄 金沢大学, 数物科学系, 教授 (20111320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 悟 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90178971)
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Keywords | 正則自己同型群 / 双正則同値 / 位相群 / 多重円板 / 有界対称領域 / ラインハルト領域 |
Research Abstract |
複素多様体Mに対して,Aut(M)をコンパクト開位相を入れたMの正則自己同型全体のなす位相群とする.研究代表者児玉と研究分担者清水は正則自己同型群Aut(M)の位相群としての構造から複素多様体構造が決定されるかどうかという基本的な問題を研究し,昨年度までにn次元単位多重円板△nと直積空間B^k×(C^*)^<n-k>,及びC^n内の有界対称領域をそれらの正則自己同型群の位相群としての構造を用いて特徴付けることに成功し,学術論文として印刷公表した.ここで,B^kはk次元複素ユークリッド空間C^kの単位開球で,C^*は複素平面Cからその原点oを取り去った空間である.今年度は,これらの結果から自然に起こる問題:「C^n内の(対称領域とは限らない)等質有界領域Dをそれらの正則自己同型群Aut(D)の位相群としての構造から特徴付けることが出来るか?」を詳細に研究し,等質有界領域Dが第1種ジーゲル領域に双正則同値である場合に新知見を得,研究成果として論文に纏めているところである.また,研究分担者清水は独自の研究として,ラインハルト領域に関する基本的問題:「D_1,D_2をC^n内の2つのラインハルト領域とする.このとき,D_1とD_2が双正則同値であるならば,D_1とD_2は代数的同値になるか?」を研究し,興味ある結果:「もしもD1とD2が擬凸で全ての座標超平面を含んでおり,しかもD_1,D_2からすべての座標超平面を引き抜いた空間D_1^*とD_2^*が双正則同値であるならば,D_1とD_2は代数的同値である」を得た.そしてこの応用として,D_1,D_2が初等ラインハルト領域の場合や,全ての座標超平面を含む3次元擬凸ラインハルト領域の場合に,上記基本問題に対して肯定的解答を得た.
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