2013 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムシュレディンガー作用素のスペクトルの確率論的研究
Project/Area Number |
21540175
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上木 直昌 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (80211069)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 確率解析 / 微分方程式 / 作用素論 / 数理物理 / ランダムシュレディンガー作用素 / スペクトル / Wegner 型評価 / 磁場 |
Research Abstract |
本研究はランダムなシュレディンガー作用素に関する様々な問題に確率論的立場から取り組むことを目的としている。本年度は特に Gauss 型確率場を磁場にもつシュレディンガー作用素に対する Wegner 型評価について前年度迄に得られていた2次元の配位空間における基本的な場合の結果を一定の一般的な場合に拡張し、配位空間が3次元以上の場合への拡張にも取り組んだ。2次元での結果は9月13日に京都大学数理解析研究所で開かれた研究会で発表した。また2次元での基本的結果と以前取り組んだ規則的に並んだポテンシャルを各々独立にランダムに移動させた媒質における状態密度関数の最小エネルギーにおける挙動についての一連の研究を日本数学会での論説にまとめた。Wegner 型評価は Anderson 局在の証明につながる決定的な評価であるが、ランダムネスが磁場だけにある場合に拡張する為に現在最も有力な方法は Erdoes と Hasler による固有値が確率変数に関して非退化であることを示して確率空間上の2回部分積分を用いる方法である。この固有値の非退化性の証明がこの問題の本質的な部分となり、本年度取り組んだのはこの部分の拡張である。3次元以上への拡張は設定の仕方から問題となるが、本年度は基本的な場合にその設定を与えて Wegner 型評価までつなげた。今後はこれまでの結果を論文にまとめたい。他に Bernoulli-Anderson 模型に対する Bourgain、Koenig、Germinet、Klein による Anderson 局在の証明を本研究の研究協力者である上野靖史と共に上野の修士課程における研究として追究したが、上野の進路変更により、論文としてまとめるには至らなかった。今後この方面の研究の進展も図りたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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