2010 Fiscal Year Annual Research Report
領域の位相的性質に依存する流体及び電磁気現象の数学的構造の解明
Project/Area Number |
21540179
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
柳沢 卓 奈良女子大学, 理学部, 教授 (30192389)
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Keywords | 境界値問題 / Navier-Stokes方程式 / 分解定理 |
Research Abstract |
1.非斉次境界条件下の定常的Navier-Stokes方程式の境界値問題の存在定理を示す際に重要な役割を果たす「Lerayの不等式」の成立条件に関して,次の点を明らかにした:2次元2重連結領域においては,「Lerayの不等式」が成立するための必要十分条件は「強い意味でのflux条件」である. 上記主張の「必要性」の部分の証明は,背理法を用いた「Lerayの不等式」の成立条件の書き直しと,HeywoodによるU-tubeテスト流の構成法を組み合わせることにより為される. この主張を,より一般の2次元多重連結領域へ拡張することが出来れば,領域に対する既存の幾何的制限を全て取り除くことが可能となる. 2.ベクトル場の分解定理を示す際,我々はDirichlet積分に対応する2次形式のcoercivenessをある変分不等式に置き換えるという観点を本質的に用いたが,これを抽象的に再設定し直すことにより,Lax-Milgramの定理の大域的一般化を示すことができた. この一般化により,1)外部領域におけるストークス問題の可解性,2)3次元有界領域におけるL^r-Helmholtz-Weyl分解定理,3)境界付きコンパクトRiemann多様体上のL^r-de Rham-Hodge-Kodaira分解定理,を統一的に示すことができる.
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