2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540180
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 順子 鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (40243886)
|
Keywords | 非可換調和解析 / 可解リー群 / フーリエ変換 / L^Pフーリエ変換 / ユニタリ表現 / Hausdorff-Young不等式 |
Research Abstract |
1.リー群上のp乗可積分関数(1<p≦2)に対する作用素値L^P-フーリエ変換の挙動の解析については,10月にスファックス大学(チュニジア)のBaklouti教授を招聘して研究討論を行い,また,2011年3月にスファックス大学を訪問して,共同で研究を進めた.本年度はユークリッド運動群およびその普遍被覆群のクラスを主な対象として,群上のL^P関数から群のユニタリ双対上の作用素値L^q空間(qはpの共役指数)への写像として定義されるフーリエ変換に関するHausdorff-Young型不等式の精密化を行い,この変換のノルムの上からの評価を得た.さらに,ユークリッド運動群,即ちn次元ユークリッド空間における回転と平行移動がなす群に対しては,極値関数をみつけて,このノルムがn次元の可換群R^nにおける通常のL^P-フーリエ変換のノルムに等しいことを示した.現在,計算に用いた手法を再検討し,この成果をより広いクラスの群に対して一般化する可能性を探っている. 2.指数型可解リー群のC^*環の表現の解析に関する問題については,ジーゲル領域のアファイン変換群として実現される群のうち低次元の群を対象に,群の既約ユニタリ表現のフーリエ変換を調べ,特にフーリエ変換の像がコンパクト作用素となるための条件を,既約表現に対応する余随伴軌道の幾何学的な情報を用いて記述した.これは,ax+b群などこれまで特別な場合に知られている結果と比較して,一般の指数型リー群で新たにみられる現象を具体的に集めて考察するためのものであり,C^*環の表現の構造解析の準備の一段階である. 3.weak polarizationからの複素解析的誘導表現については,スファックス大学でのセミナーにおいて講演を行い,研究の現状について出席者との研究討論を通して情報を交換した.
|
Research Products
(3 results)